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平成29年度 事業継承フォーラム 〜未来志向型の人材育成と体制づくり〜 開催レポート

開催概要

事業承継への対応は待ったなし
黒字企業が廃業にいたるケースも

開催趣旨について

中小機構では、中小企業や小規模事業者などの円滑な事業承継をテーマとする「事業承継フォーラム」を東京、名古屋、大阪の3会場で開催しました。
事業承継とは、文字どおり「事業」を信頼できる後継者に承継していくことです。事業を続けていく上で、すべての事業者が必ず直面する大きな問題といえます。
この30年間、相次ぐ倒産や廃業などにより、毎年平均5万社ずつ減り続けています。
これらは赤字が膨らんで事業から撤退した企業ばかりではなく、黒字企業や将来的な事業の拡張が見込まれる企業にもかかわらず、事業承継の準備不足や後継者不在などを理由に廃業せざるを得なかったケースも含まれています。
こうした現状を踏まえ、皮切りとなった東京会場では、中小機構の高田坦史理事長が登壇し、やむを得ず廃業に追い込まれてしまった中小企業・小規模事業者が多い現状への危機感を挙げるとともに、事業承継はBCP(事業継続計画)における最大の課題であるという認識を示しました。続いて登壇した経済産業大臣政務官の平木大作氏は、経営者の高齢化や後継者不在といった状況から、将来の日本経済への影響を危惧し、事業承継対策を最重要施策の一つとして取り組んでいることを明らかにしました。

なぜ事業承継が進まないか

東京会場では、中小企業庁長官の安藤久佳氏が「事業承継の集中支援」をテーマに、今なお経営者の若返りが進んでいない現状や、若返りによる生産性の向上についてデータを基に説明しました。さらに、事業承継が進まない問題として、「会社経営に注力することで、事業承継を考える余裕がない」「誰に相談していいのかわからない」「何から始めていいかわからない」という三点を挙げました。
経営者の方には事業承継について早め早めに考えていただくことが一番大事であるとした上で、今後10年程度を事業承継の集中実施期間として支援を行うという力強い言葉がありました。

基調講演とパネルディスカッション

東京、大阪、名古屋の全会場で、事業承継を経験された経営者や、現在、事業承継に取り組んでる経営者、後継者の方々に登壇していただきました。
基調講演では「未来を見据え、後継者を育てる」、パネルディスカッションでは「いつ、どのように行うか。後継者の育成と次世代に向けた仕組みづくり」をテーマとして、実体験に基づくメッセージを発信していただきました。具体的な内容は、基調講演、パネルディスカッションともに、エッセンスを動画にまとめています。これから事業承継に取り組む経営者の方々にとって、きっと参考となることでしょう。

中小企業庁長官 安藤 久佳 氏

中小企業庁長官
安藤 久佳 氏

経済産業省政務官 平木 □□ 氏

経済産業大臣政務官
平木 大作 氏

独立行政法人 中小企業基盤整備機構 理事長 高田 坦史

独立行政法人
中小企業基盤整備機構
理事長
高田 坦史

東京会場

● 東京会場

大阪会場

● 大阪会場

名古屋会場

● 名古屋会場

基調講演

「未来を見据え、後継者を育てる」

事業承継にかける思い
息子を後継者として認め育てるまで

基調講演では、登壇者ご自身と先代経営者との関係、そして後継者との関係など、自らが経験した事業承継の流れと、その時々の思いを具体的にお話いただきました。会場の参加者からは「(後継者には)経営の大変さばかりを伝えるのではなく、醍醐味も伝えるべき、という言葉に感銘を受けた」といった感想をいただきました。

東京会場

株式会社生活の木 代表取締役社長 C.E.O. 重永 忠 氏

ハーブとアロマテラピーの専門店を全国的に展開している株式会社生活の木代表取締役社長 C.E.Oの重永忠氏にご登壇いただきました。重永氏のご子息は2年前に同社へ入社し、まさに今事業承継に取り組んでいる最中です。
事業承継については、環境変化の激しい現在において、新しいことを起こさなければ生き残れない(単に事業を継がせるのではない)という観点から、重永氏は「後継創業」という言葉で表現されました。

株式会社生活の木 代表取締役社長 C.E.O. 重永 忠 氏

株式会社生活の木
代表取締役社長 C.E.O.
重永 忠 氏

〈株式会社生活の木 会社概要〉

・アロマテラピー製品、ハーブ関連製品の開発・輸入・販売

・直営店「生活の木」を全国約120店舗で展開

1955年 東京都渋谷区に陶器店『陶光』を開業
1970年代よりハーブの輸入販売を開始
1979年 ポプリの販売を開始
1983年よりハーブティーを展開
1986年 有限会社生活の木に商号変更、1993年に株式会社化
1990年スリランカに現地法人を設立
2000年 代表取締役社長に重永忠氏が就任
2010年直営店100店達成。コミュニティートレード『エチオピア手焙煎コーヒー工房』設立

大阪会場

タビオ株式会社 代表取締役会長 越智 直正 氏

靴下の専門店として、日本だけでなく、フランスや英国、台湾など海外でも展開しているタビオ株式会社代表取締役会長の越智直正氏にご登壇いただきました。自身が創業者である越智氏は、息子さんを幼い頃から二代目として教育されていたようです。「二代目」という立場の難しさと、それをどのように支えていくかを、すでに承継を終えた立場からお話しいただきました。後継者である息子さんへの愛があふれた発言が、参加者に勇気を与えました。

タビオ株式会社 代表取締役会長 越智 直正 氏

タビオ株式会社
代表取締役会長
越智 直正 氏

〈タビオ株式会社 会社概要〉

・靴下の企画・製造・卸・小売

・靴下屋、Tabioなど靴下専門店を展開

1968年 越智直正氏が靴下専門専門卸問屋として「ダンソックス」を創業
1977年 株式会社ダンに社名変更
2000年 大阪証券取引所2部に上場
2002年 初の海外進出となるロンドンに店舗をオープン
2006年 タビオ株式会社に社名変更
2008年 越智勝寛氏に事業承継

名古屋会場

チロルチョコ株式会社 代表取締役会長 松尾 利彦 氏

スーパーやコンビニなどでお手頃な価格で売られ人気を集めている一口チョコレートの販売・製造元のチロルチョコ株式会社代表取締役会長松尾利彦氏にご登壇いただきました。同社では社長交代を機に、それを伝えるユーモラスな全面広告を日経MJに出し、大きな話題となりました。事業承継においては、「自分の代で会社をどう変えていくか」を後継者に認識させる必要性について、熱く語っていただきました。
講演後のアンケートでは、松尾会長の人柄を絶賛する声が相次ぎました。

チロルチョコ株式会社 代表取締役会長 松尾 利彦 氏

チロルチョコ株式会社
代表取締役会長
松尾 利彦 氏

〈チロルチョコ株式会社 会社概要〉

・菓子「チロルチョコ」の企画・販売

1903年 現在の福岡県田川市で菓子製造業を始める
1919年 松尾製菓株式会社を設立
1962年 チョコレート部門を新設。「チロル」のブランド名で売り出す
2003年 松尾製菓 創業100周年を迎える
2004年 松尾製菓の企画・販売部門を独立させ「チロルチョコ株式会社」を設立
松尾利彦氏が代表取締役社長に就任
2017年 松尾裕二氏に事業承継

パネルディスカッション

「いつ、どのように行うか。後継者の育成と次世代に向けた仕組みづくり」

6社12人の親子から学ぶ
息子を後継者として認め育てるまで
交代のタイミングとその後

パネルディスカッションでは、事業を承継された(あるいは現在取り組まれている)親子にご登壇いただきました。3会場で合わせて6社12人がそれぞれ、経営者、後継者の立場で事業承継について語りました。
参加者からは
「二代目が周囲から潰されるというリスクを認識した」
「商売と経営は別物という言葉に重みを感じた」
「父親の教育が実を結び、すばらしい後継者になっている実状が確かめられた」
などといった声が寄せられました。
事業承継の進め方は、会社の数だけパターンが存在すると言えます。ここに登場した承継済み4社、準備中2社の合計6社は、いずれも事業の承継がスムーズに行われたわけではなく、親子の確執やコミュニケーション不足、経営者としての覚悟など、歩調を合わせるのに苦労がつきまといました。
親の気持ち、子供の気持ちはそれぞれに異なっていますが、「経営者としての覚悟」「会社に対する思い」などは、12人すべての登壇者から感じ取っていただけるかと思います。ぜひ動画を御覧ください。

親族内承継 経験者に聞く”生の声”

① 「後継者が決まるまで」
POINT

・経営者は息子、娘への事業承継を考えていたのか

・後継者は自分が会社を継ぐことを考えていたのか

・後継者が事業承継を意識したきっかけ(転機)は

親族内承継 経験者に聞く”生の声”

②「後継者の育成」
POINT

・経営者はどのように後継者を育成し、会社の受け入れ体制をどうつくったのか

・後継者はそれについてどのように感じたのか

親族内承継 経験者に聞く”生の声”

③ 「交代のタイミングとその後」
POINT

・事業を承継したタイミングは

・そのとき経営者、後継者はどのように感じたのか

親族内承継 経験者に聞く”生の声”

④ 「これから取り組まれる方へ」
POINT

・親族内承継に対する考え方や、これから事業承継に取り組まれる経営者、後継予定の方々へ

  • 東京会場パネリスト
  • FSX株式会社 取締役会長 藤波 璋光 氏

    FSX株式会社
    取締役会長
    藤波 璋光 氏

    FSX株式会社 代表取締役社長 兼 最高経営責任者 藤波 克之 氏

    FSX株式会社
    代表取締役社長
    兼 最高経営責任者
    藤波 克之 氏

  • 〈FSX株式会社 会社概要〉

    ・おしぼりのレンタル、製造・販売

    ・アロマや抗菌おしぼりなどのオリジナルアイテムの開発・生産も行っている

    1967年 藤波璋光氏が「藤波タオルサービス」を創業
    2013年 藤波克之氏に事業承継
    2016年 「FSX株式会社」に社名を変更

  • 宇賀神電機株式会社 代表取締役社長 宇賀神 清孝 氏

    宇賀神電機株式会社
    代表取締役社長
    宇賀神 清孝 氏

    宇賀神電機株式会社 取締役 経営企画室長 宇賀神 達也 氏

    宇賀神電機株式会社
    取締役 経営企画室長
    宇賀神 達也 氏

  • 〈宇賀神電機 会社概要〉

    ・高低圧配電盤・制御盤・監視盤・分電盤の製造・販売

    1927年 宇賀神電機製作所として創業
    1947年 宇賀神電機株式会社を設立
    2000年 三代目社長として宇賀神清孝氏が就任
    現在、取締役経営企画室長宇賀神達也氏への事業承継を準備中

  • 大阪会場パネリスト
  • 梅乃宿酒造株式会社 取締役会長 吉田 暁 氏

    梅乃宿酒造株式会社
    取締役会長
    吉田 暁 氏

    梅乃宿酒造株式会社 代表取締役 吉田 佳代 氏

    梅乃宿酒造株式会社
    代表取締役
    吉田 佳代 氏

  • 〈梅乃宿 会社概要〉

    ・日本酒、リキュール、各種酒類の製造・販売、商品開発

    1893年 創業
    1950年 梅乃宿酒造株式会社設立
    1984年 四代目社長に吉田暁氏が就任
    2013年 吉田佳代氏に事業承継

  • 株式会社竹中製作所 取締役相談役 竹中 弘忠 氏

    株式会社竹中製作所
    取締役相談役
    竹中 弘忠 氏

    株式会社竹中製作所 代表取締役社長 竹中 佐江子 氏

    株式会社竹中製作所
    代表取締役社長
    竹中 佐江子 氏

  • 〈竹中製作所 会社概要〉

    ・ボルト・ナット・ねじ等の製造

    1935年 創業
    1984年 竹中弘忠氏代表取締役社長
    2016年 竹中佐江子氏に事業承継

  • 名古屋会場パネリスト
  • 菱信工業株式会社 代表取締役会長 池上 武博 氏

    菱信工業株式会社
    取締役会長
    池上 武博 氏

    菱信工業株式会社 代表取締役社長 池上 裕介 氏

    菱信工業株式会社
    代表取締役社長
    池上 裕介 氏

  • 〈菱信工業株式会社 会社概要〉

    ・冷凍空調機、産業用設備、給排水衛生設備の保守、設計施工

    1946年 池上鉄工所創業
    1956年 池上鉄工所の名古屋出張所として愛知県で業務開始(のちの菱信工業)
    1967年 池上鉄工株式会社を設立
    1973年 菱信工業株式会社に名称変更
    1987年 池上武博氏が代表取締役社長に就任
    2011年 池上裕介氏に事業承継

  • 株式会社瀬戸大同 代表取締役 加藤 太伸 氏

    株式会社瀬戸大同
    代表取締役
    加藤 太伸 氏

    株式会社瀬戸大同 専務取締役 加藤 雄也 氏

    株式会社瀬戸大同
    専務取締役
    加藤 雄也 氏

  • 〈株式会社瀬戸大同 会社概要〉

    ・機械工具、電動工具を中心とした工場用機器の販売と工場設備までを取扱う専門商社

    1967年 設立
    1991年 加藤太伸氏が代表取締役社長に就任
    現在、専務取締役加藤雄也氏への事業承継を準備中

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