中小機構

令和元年度 事業継承フォーラム 想いと信頼を未来へつなぐ 開催レポート

開催概要

深刻度を増す経営者の高齢化と
進まない事業承継の実態

 現在、中小企業経営者の高齢化に伴い、事業承継が喫緊の課題となっています。現状を放置すると、中小企業の廃業の急増により、2025年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があるといわれています。(中小企業庁が2019年11月に発表した「事業承継施策について」より)


 独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では、これから事業承継を迎える、あるいは承継期を迎えているが課題を抱えている経営者や後継者に向け、「想いと信頼を未来へつなぐ」と題し、事業承継フォーラムを開催しました。
 前半の基調講演では「老舗だから出来たベンチャー型の事業承継」と題し、菊正宗酒造株式会社代表取締役会長の嘉納毅人氏にご登壇いただきました。
 嘉納会長自身が学生時代から培ってきたベンチャーマインドを持ち続け、江戸時代からの歴史を持つ老舗企業の事業承継に取り組んだ経緯や経験談を語っていただきました。


 後半は「経営者と後継者で築く企業の未来」をテーマにしたパネルディスカッションで、東京・大阪それぞれ2社の経営者と後継者の親子が登壇しました。
 事業承継の経緯や承継前後の難しさなど、実際の体験をもとに、それぞれの立場からの“生の声”を聞かせていただきました。
フォーラムの参加者からは
「生の声が聞けて良かった。承継における大事な観点を見つけられた」
「質疑応答で本音をお話しいただき、分かりやすかった」
「実際に事業承継に直面している経営者・後継者の声を聞くことができた」
といった声が寄せられ、事業承継への中小企業経営者や関係者の関心の高さがうかがわれました。
 それぞれの講演の模様は下記の動画をご覧ください。

東京会場

◆ 東京会場

大阪会場

◆ 大阪会場

基調講演

「老舗だから出来たベンチャー型の事業承継」

~事業承継を可能にする経営のあり方とは~

 基調講演では、菊正宗酒造株式会社代表取締役会長の嘉納毅人氏に、老舗企業の経営に求められるベンチャーマインドや、先代から経営のバトンを受け継いだ体験、さらに後継者にバトンを引き継いだことなどについて語っていただきました。

基調講演・東京/大阪会場

菊正宗酒造株式会社 代表取締役会長 嘉納 毅人 氏

 日本を代表する酒どころ灘五郷(なだごごう)にある菊正宗酒造の嘉納毅人代表取締役会長は、1659年に創業、360年以上の歴史を持つ老舗蔵元の十一代目当主。1985年に代表取締役社長に就任、32年間社長を務め、2017年に現在の嘉納治郎右衞󠄀門社長にバトンを引き継ぎました。
 学生時代は起業家を目指し、老舗の跡を継ぐ気はなかった嘉納会長に、先代はどのように行動したのか、会長自身は後継者育成をどのように考えていたのか。ベンチャーマインドが老舗の経営にどのように役立ったのか……。事業承継のヒントが見えてきます。

菊正宗酒造株式会社 代表取締役会長 嘉納 毅人 氏

菊正宗酒造株式会社
代表取締役会長
嘉納 毅人 氏

〈菊正宗酒造株式会社 会社概要〉

清酒「菊正宗」「百黙」・焼酎・リキュールの製造販売、化粧品・食品の販売、清酒関連文化事業ほか

1659年
創業
1886年
「菊正宗」商標登録
1965年
菊正宗酒造株式会社に社名変更
1985年
嘉納毅人氏が代表取締役社長に就任
2016年
新ブランド「百黙」発表
2017年
嘉納毅人氏が会長に就任、嘉納治郎右衞󠄀門氏が社長就任
2019年
しぼりたてギンパック IWC2019「グレートバリュー・チャンピオンサケ」「普通酒部門 最高位トロフィー」W受賞

パネルディスカッション

「経営者と後継者で築く企業の未来」

経営を担う覚悟はできているのか?
未来へつなぐために親と子が語ったこと

 事業に追い風が吹き、経営が順調なときにバトンを渡すべきか、それとも経営が厳しいときこそ、企業の未来を見据えて経営を託していく方がよいのか、事業承継のタイミングはいつがよいのか。
 後継者候補に経営者として必要な資質があるのかどうか、その見極めはどのようにすればよいのか、後継者に経営を託したとき、そのサポート体制はどのように構築し、現在の役員の処遇はどうすべきか……。事業承継に伴うリアルな悩みや課題を、すでにバトンタッチを果たした企業はどのようにクリアしたのか。
 事業承継について、バトンを渡す側と後継者の単なるコミュニケーションではなく、「事業についてのコミュニケーション」の大切さが改めて実感できるパネルディスカッションでした。

① 「決意のタイミング」
POINT

・いつ、どのように後継者を決めたのか

・後継者が継ぐ覚悟を決めた経緯

② 「次代へつなぐ」
POINT

・承継に際して後継者に何を伝えたのか

・承継前後の従業員や取引先との関係

③ 「未来をひらく」
POINT

・先代から引き継ぐこと、変えてはいけないことは何か

・後継者による新しい挑戦を先代はどのように見ているのか

④ 「企業の未来へ」
POINT

・これからの企業についてそれぞれがどのように考えているのか

・後継者の覚悟と先代の信頼

  • 東京会場パネリスト
  • 株式会社アイ電子工業 代表取締役会長 髙橋 德經 氏

    株式会社アイ電子工業
    代表取締役会長
    髙橋 德經 氏

    株式会社アイ電子工業 代表取締役社長 髙橋 温 氏

    株式会社アイ電子工業
    代表取締役社長
    髙橋 温 氏

  • 〈株式会社アイ電子工業 会社概要〉

    電子・電気機器の開発・設計・製造・組み立て受託(EMS、OEM/ODM) 、企業の海外進出支援、業務請負・工場派遣

    1980年
    髙橋德經氏が個人事業としてアイ電子工業創業
    1981年
    有限会社設立。計器メーカーより受注開始
    1989年
    大手電機メーカー那須工場よりPCB組立受注
    1990年
    大手通信機器メーカー那須工場と取引開始、自社製品(傾斜センサー他)開発開始
    1997年
    大手通信機器メーカーより携帯電話組立委託加工、野崎第二工場開設
    2013年
    髙橋德經氏が代表取締役会長に就任、髙橋温氏が代表取締役社長に就任
  • 株式会社ロックシステム 相談役 澤 與志博 氏

    株式会社ロックシステム
    相談役
    澤 與志博 氏

    株式会社ロックシステム 代表取締役社長 澤 和男 氏

    株式会社ロックシステム
    代表取締役社長
    澤 和男 氏

  • 〈株式会社ロックシステム 会社概要〉

    物理セキュリティ施工サービス業
    (セキュリティ設計、機器選定、設置工事、設定、アフターサービス)

    1990年
    澤與志博氏が株式会社ロックシステム設立
    2005年
    監視カメラメーカーと業務協力開始、建設業[電気工事業、内装仕上業、電気通信工事業]追加取得
    2017年
    澤與志博氏が相談役に就任、澤和男氏が代表取締役社長に就任
    2018年
    ネットワーク死活監視システム「モニターBOX」を発表
    2019年
    「モニターBOX遠隔保守サービス」提供開始
  • 大阪会場パネリスト
  • 千房株式会社 代表取締役会長 中井 政嗣 氏

    千房株式会社
    代表取締役会長
    中井 政嗣 氏

    千房株式会社 代表取締役社長 中井 貫二 氏

    千房株式会社
    代表取締役社長
    中井 貫二 氏

  • 〈千房株式会社 会社概要〉

    お好み焼き専門店「千房」を軸に外食チェーン事業およびお好み焼きやたこ焼きなど冷凍食品の製造・販売事業を展開

    1973年
    大阪千日前にて「お好み焼 千房」創業
    1990年
    海外事業展開 ハワイホノルル店開業
    1997年
    冷凍お好み焼の製造販売開始
    2006年
    新業態「エレガンス千房」第1号店オープン、新業態 浪花鉄板居酒屋「やけるやんか」オープン
    2013年
    国内航空会社の機内食に千房のお好み焼が初登場
    2018年
    中井政嗣氏が代表取締役会長に就任、中井貫二氏が代表取締役社長に就任
  • 株式会社山正 代表取締役 押谷 小助 氏

    株式会社山正
    代表取締役
    押谷 小助 氏

    株式会社山正 専務取締役 押谷 優助 氏

    株式会社山正
    専務取締役
    押谷 優助 氏

  • 〈株式会社山正 会社概要〉

    1895年の創業以来、もぐさの製造販売を行っているほか、現在は使い捨てタイプの「ディスポ鍼」などの販売も手掛ける鍼灸材料総合メーカー

    1895年
    山正押谷小助商店創業
    1983年
    株式会社山正設立、台座間接灸 販売開始
    1995年
    押谷小助氏が代表取締役に就任
    2003年
    鍼灸治療用ディスポ鍼販売開始
    2012年
    ネパールにネパールヤマショウ建設(Yamasho Private Limited)
    2015年
    創業120周年を機に本社社屋を長浜市内保町に移転
    2019年
    押谷優助氏が専務取締役に就任

過去の開催レポート

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