約30分の長編映像です。
音声オンにしてお楽しみください。

取引先や社内からも応援される
親族内事業承継事例

トップが急逝
残された者はどう動いたか?
地元名門企業の事業承継

親族内承継こそ 計画性がもとめられる

親族内承継企業において後継者が決まっている(周囲から目されている)ケースは割と多い。しかしながら、その後継者育成にかける期間や、株式承継のスケジュールはいづれの企業でも悩ましい課題だ。税務や法務の整合性、取引先や金融機関との関係性、または社内の情理も絡んでくる。一般に「人の継承」「資産の継承」「知的資産(技術など)の継承」と呼ばれているが、言葉でいうほど単純ではなく、時間もかかるものだ。
今回、取材した村田発條も例外ではない。6代目の村田一郎氏も後継者育成と株式譲渡に十分な計画は引いていた。それでも想定外のことは起きた。
企業規模に大小あれ、等しく求められる事業承継の問題。とくに親族内承継企業であればこそ、早くからの計画は必須である。

本編サマリー

村田発條は「ばね」の製造で100年の歴史をもつ地元の名門企業である。後継者育成も株式譲渡も6代目社長の村田一郎氏が中心となり計画を描いていた。そんな矢先、一郎氏は海外の出張先で心筋梗塞に倒れ、帰らぬ人となってしまう。突然のことに呆然となる社内。明日からの社長は誰が? 取引先との関係は? 株式は? 残された者たちはどう動いたのか。10年前当時と2021年現在、その両方を知る経営幹部らの証言をもとに、事業承継の本質に迫る。

村田発條株式会社
バネの製造 栃木県宇都宮市
1913年12月1日(大正2年)、初代、村田正三郎氏が宇都宮の地で金物店を創業。のちにバネ製造に進出。2021年現在、売上高75億円、従業員343名。航空機から自動車まで産業用コイルで世界的なシェアをもつ。海外3か国にも工場あり。現在の安在社長は8代目。9代目への事業承継を実施中。

フォーラム3 映像 
こんなことがわかります

創業108年 8代目から9代目へ 経営者の想いを引き継ぐ
(親族内承継) 村田発條株式会社

  • 第1章 (約9分)
    創業108年 8代目から9代目へ
    経営者の想いを引き継ぐ

  • 第2章 (約10分)
    社長が急逝!そのとき社員は・・・

  • 第3章 (約10分)
    後継者へ伝える「先代の精神」

相続時精算課税制度について

村田発條株式会社様の事業承継動画いかがでしたでしょうか。
親族内承継を予定している中で、予期せぬ代表者様の急逝に見舞われたものの、事前の事業承継の計画を立てられていたことで、全社一丸となって承継が行われ、更なる成長をされているという素晴らしい事例だと思います。動画内でもございましたが、同社の株式の承継に際して「相続時精算課税制度」が活用されていましたので、こちらの制度について解説させていただきます。

<相続時精算課税制度>
相続時精算課税制度とは、生前に2,500万円まで非課税で贈与を行うことができ、相続発生時に当該贈与財産を他の相続財産に加算して相続税を計算し納付する制度です。当該贈与財産を相続財産に加算する際に、贈与時の評価額が適用されるため、株式や土地などの財産が贈与時よりも相続時のほうが値上がりしている場合には、税額の面で有利になります。(しかし逆に贈与時よりも相続時のほうが値下がりしている場合には不利になります。)
なお、2,500万円を超える贈与の場合は、超過額に一律20%の贈与税が課税されます。(その場合、超過額の贈与税納付額は相続税から控除されます)
対象としては、
贈与する側  :60歳以上の贈与を受ける方の直系尊属であること
贈与を受ける側:20歳以上(※)の子・孫である推定相続人であること
(※)2022年4月以降の贈与は18歳以上
となります。

一方で相続時精算課税制度の利用により、年間110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与が利用できなくなることや、土地の贈与の場合は、小規模宅地の特例が利用できないという制限もあり、必ずしも納税額の面で有利にならない場合もありますので、事前によく税理士と相談することが重要です。
なお、事業承継時に活用できる他の税制については、事業承継フォーラム2及び事業承継フォーラム4で説明しますので、是非ご覧ください。

文/ 株式会社 船井総合研究所 M&A支援部 中野 宏俊

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感想&質問&回答コーナー

  • 村田常務が入社された当時、お父様(社長)との関係性はどのような関係でしたか? (村田常務は社員で26歳その当時の社長との関係性は?)

  • (村田様)

    ふつうの親子関係です。中国の海外工場の立ち上げを任命された時も「やってこい」という激励こそありましたが、特に後継ぎとして何かしろというお話は一切ございませんでした。承継をはっきりと言われたこともございませが、ぼんやりと外堀を埋められたという感じです。

  • 村田一郎様が急逝されたことによる急な役員人事でしたが、実際にどのように引継ぎされていったのでしょうか?

  • (安在様)

    誰が何を担当するかを役割分担をして役員会をスタートさせました。
    村田一郎社長がどんな考えを残したかを10月に部長以上が全員集まり、村田一郎社長の意志をそれぞれが直接聞いたこと、指示されたことをまとめました。それを遺志として引継いでいこうという土台を作りました。箇条書きで100項目くらいございます。これらは今でも経営計画を立てる際に参考としております。

制 作
 中小企業基盤整備機構
協 力
 株式会社村田発條 関係者の皆様

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令和3年度 コンテンツ

事業承継フォーラム1:

取引先や社内からも応援される親族内事業承継事例

村田発條株式会社(創業108年)、8代目から9代目へ計画中。
映像公開中

事業承継フォーラム2:

知っていると知らないとでは大きな違い。

国の「事業承継推進施策」をわかりやすく紹介します。
映像公開中

事業承継フォーラム3:

フィナンシェの販売個数で世界一。海外にも進出する「アンリ・シャルパンティエ」
蟻田剛毅氏が初めて語る「事業承継」における「父」と「自分」

映像公開中

事業承継フォーラム4:

令和4年度、国の最新施策を明快に解説。

映像公開中

事業承継フォーラム5:

第三者承継事例紹介。

新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」に伴い、取材・撮影を延期いたします。公開時期が決まりましたら適宜お知らせいたします。本サイトにあるメルマガ登録もよろしくお願いいたします。

 本フォーラムに関するお問い合わせ 

独立行政法人
中小企業基盤整備機構

事業承継・再生支援部 事業承継支援課

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主催:独立行政法人中小企業基盤整備機構
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